木ヲ見テ森ヲ見ズ

指差シ確認

グラミー賞で因縁深い二大メタルバンド「メタリカ」と「メガデス」が辱めを受ける事案が発生

こんばんは、ハヤシ(@ki_moriwomizu)です。

世界最高峰の音楽の祭典、グラミー賞が終わりましたね。アデルの5冠達成やピアニスト内田光子さんの受賞など、日本のメディアでも華々しく報道されていました。

そんな中、二つのメタルバンドが災難に見舞われます。一方はこれまで8度グラミー賞を獲得してきたメタリカ、そして12度目のノミネートで初のグラミー賞を手にしたメガデスです。

 

 

メガデスがそのキャリアをスタートさせたのは1983年のこと。これまで11度グラミー賞にノミネートされてきたもののいずれも受賞を逃してきた経緯があり、ボーカルの Dave Mustaine(デイブ・ムスティン)はTwitterで「Finally!」(やっとだよ!)とコメントしています。

 

ようやく掴んだグラミー賞、心から祝福したいところですが、実はモヤモヤする出来事があったのです。

メガデスの災難

それは「ベストメタルパフォーマンス賞」を発表する際に起こりました。メガデスの名をコールし、コルナ(メロイックサイン)を掲げるプレゼンター。しかしここでハウスバンドが演奏を始めたのは受賞した曲「Dystopia」ではなく、しかもメガデスの曲ですらない、メタリカの「Master of Puppets」。なんとも不可解なできことです。しかも高校の文化祭レベルの貧相なプレイ。

 

本来この曲で然るべきなのに…

Dystopia

Dystopia

  • メガデス
  • メタル
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

 実際に流れたのがこの曲。

Master of Puppets

Master of Puppets

  • メタリカ
  • ポップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

かつてデイブがメタリカに在籍していたことは、メタルコミュニティの人であれば誰もが知っている事実です。そして当時の傍若無人っぷりからメタリカをクビになり、敵対心、復讐心に燃えて結成したのがメガデスだということも。

ハレの場でのこのアクシデントに、会場後方からステージに向かうデイブは気分を害している様子もなく、ギターの当て振りまでして見せ、壇上ではにこやかに家族やファン、スタッフなどの関係者に対して謝辞を述べています。

 「なんたる侮辱!」と憤慨するファンのツイートに対しても「メガデスの曲を演奏できなくても仕方ないよ。」と諫めてすらいます。

 

 

若かりし頃にアルコールやドラッグに溺れ、奇行や暴力で周囲と軋轢、確執を抱えていたキレッキレなお姿は見る影もありません。年齢を重ね、家族を持ったからでしょうか、すっかり丸くなられたようです。 

とても「レコードショップでMETALLICAより前に並ぶから」という理由でバンド名をMEGADETHにした、と、まことしやかに噂されていた人物とは思えませんね。*1

 

メタリカの災難

一方のメタリカ。

事件はレディー・ガガと「Moth into Flame」を共演する際に起こりました。

 

Moth Into Flame

Moth Into Flame

  • メタリカ
  • メタル
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

なんと、プレゼンターを務めたLaverne Cox(ラヴァーン・コックス)がメタリカの名前を呼び忘れるという思いもよらない愚行をしでかします。

 

グラミー賞8度受賞、そしてグラミー賞6度受賞、レディーガガ!

 

そうですか、8度受賞したメタリカには触れませんか、ふーん。

 

この件について、後日ラヴァーン・コックスは謝罪しています。

 

こうしていきなり出鼻をくじかれたわけですが、なおも災難は続きます。よりにもよってボーカルのJames Hetfield(ジェイムズ・ヘットフィールド)のマイクがオフられてるというお粗末さ。

レディー・ガガのマイクをシェアすることでなんとか乗り切り、終わってみれば機転を利かせたガガの美談とも取れるお話になりましたが、気がおさまらないのか、ジェイムズは演奏終了後にマイクスタンドを蹴り倒し、ギターをぶん投げるという行為に出ます。

レディー・ガガもこのステージの為に背中に蛾(Moth)のタトゥーを入れたというのに、これでは浮かばれませんね。*2

 

グラミー賞は以前からメタル界隈とのいざこざを起こしているんですよね。これはこれでボリュームのある内容なので、また別の機会にまとめたいと思います。

まとめ

少なからぬ因縁で繋がった両バンドが奇しくも同じステージで醜い災難に遭うという、そんな第59回グラミー賞の話題でした。

ジェイムズとデイブ、かつてクビにした側とされた側、30年以上の時を経て、両者の取った対照的な行為に時の流れを感じずには居られません。

落ち度はもちろん運営側にあるのは間違いないので、ジェイムズの行為を非難するつもりはありません。「ロック」な行為、ひょっとしたら敢えての「エンタテインメント」と好意的に取ることもできなくはありません。ただ、デイブの落ち着いた立ち振る舞いと比較してしまうと、ちょっとなぁ、と。とうに50も過ぎてますしね。

 

ある芸人がネタのひとつでこんなことを言っていました。

「更生した元ヤンキーがちょっと良いことをしただけでものすごい賞賛を受けるのはおかしい。俺たちはずっと真面目に優等生でやってきたのに。」

それは確かにそうなのかもしれません。ただ、その振り幅にやられてしまうこともあるのかなあと、今回のデイブの一件で考えた次第です。あのデイブがねぇ、と。

 

こちらからは以上です。

 

※メタリカとメガデスは2010年の共演を契機に和解しています。念のため。

 

【追記】

メガデスの来日公演が決まりました!

5/17(水)大阪、5/18(木)東京です。

しかもゲストにアンスラックスを引き連れてくるなんて、これは見逃せません!

 

www.hipjpn.co.jp

*1:諸説ある内の一つで、ジョークの類だと思います。

*2:フェイクか本物かはわかりません。